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仕事終わりは癒しの時間
第10章 ご褒美
「失敗してなくてよかった。私、身内とか会社の人以外で男の人にチョコ渡したの初めてなんだよ」
「えっ、俺が初めてなん!?元彼には渡してないん?」
「うん…甘いの嫌いだからいらないって先に断られてたから…」
彼が忙しかったから特に恋人らしいことは出来なかった。
お互いの誕生日もバレンタインもクリスマスも忙しいからと会えなかったし。
思い出したら悲しくなってきたな…。
彼のことを思い出していたら、不意に頭を優しく撫でられた。
「まだ元彼のこと忘れられん?」
「最近は少しずつ立ち直ってはいるけど、まだ時間が掛かりそう…」
「大丈夫、ゆっくりでいいんよ。『本命』はいつか現れてくれるって」
また心臓がドキドキしだした。
山岡さんがカッコいいからとか、さりげない優しさへのものじゃない…。
私にはそれがまだ分からなかった。
ブラウニーを完食した後、彼は運ばれてきたものを次々胃袋に収めていった。