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第10章 ご褒美

カシャッ…

「えっ？」

頭を上げると、笑いを堪えながらスマホを構えて写真を撮っていた。

「いや、OLさんが仕事終わりにギター弾いてるのあんま見やんから、レアやなって…」
「もー、消してって！」
「大丈夫。SNSにアップしやんから。さっきのお返し」

平凡なOLがギター弾いてる写真なんて載せても需要ないよ！

「ところでさ、弾けるようになったら、Blue Eyesの曲でこれ弾いてみたいってある？」
「んー、『Ster light』って曲弾いてみたい」
「お目が高い！その曲、俺が初めて作った曲やねん」
「そうなの？」

「うん。前のバンドでは、俺がギターとコーラスやって、涼介がボーカルしてたんよ。ベースが脱退してどうしようかって時に、仲の良い先輩から『ええ声してるんやから、お前がボーカルをやれ』ってアドバイスくれたんよ。そっからBlue Eyesが結成された」

「へー」
「ちなみに、アドバイスくれた先輩が、今のバンドでベースやってる人」
「へー、松田さんが!?」