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第11章 夢

『やっほー！元気？』
「うん」

帰宅して、部屋でのんびりしていたら美咲から電話がかかってきた。

久しぶりの電話で他愛もない話に盛り上がる。

『ところでさー、最近どう？彼と？』
「…山岡さんのこと？」
『そうそう！』
「ん…」

美咲になら今私の抱えてる気持ちを伝えられる？

「なんかね最近ね、近くにいるだけで胸が苦しくなって、目を合わすと顔が熱くなって…んー、恥ずかしくなって、手をギュッて繋ぎたくなるの…」

『…たどたどしくて、小学生の告白聞いてるのかと思ったわ。あれでしょ？好きなんでしょ？山岡くんのこと』
「…好き？」
『…もしかして、自分で気付いてなかったの？鈍いなー』

苦しくて、自分がおかしくなったのかと思ってた。
指摘されてようやく分かった好きって気持ち…。

自分から異性を好きになったことが無かったから初めての感情に少し戸惑ってしまう。

『すきなんだったら、山岡くんに告白しちゃいなよ』
「無理だよ…」
『はっ？何で？』
「…彼女居るみたいだから」

電話越しに「あー」という声が聞こえた。