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仕事終わりは癒しの時間
第11章 夢
それから三日後。
会社の先輩と共に午後から取引先に出向いて、企画の大まかな打ち合わせを行った。
こちらが提示した案に向こうが乗ってくれる姿勢を見せ、一緒にいいものを作り上げましょうと言ってもらえた。
「良かった、今回も上手くいきそうだね」
先輩の高山さんが嬉しそうに声をかけた。
同じ部署で働く頼れる先輩で、私の教育係を務めてくれた人。
「はい、ここから細かいとこを詰めていって、お互い納得するものにしていきますよ」
「この企画成功したら、皆で飲みに行こうか」
「いいですねー」
そんな話をしながら帰社する途中、高山さんがある人物に気が付いた。
「あれ?長野さん、彼氏さんじゃ…」
「えっ…」
そのビルは元彼が働いている会社で、そこから元彼とお腹が少し膨らんだ女性が出て来た。
彼に身体を支えられるように歩いている女性は笑顔を彼に向ける。
そんな彼女を愛しそうに見つめる元彼。
「…長野さん、どういうこと?」
高山さんが混乱するのも無理はない。
部署の人は私に彼氏が居て、顔や働く会社も知っていたが、別れたことを言わずに誤魔化していた。