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仕事終わりは癒しの時間
第12章 苦しい心

「ここで待ってたら、止むかな?」
「うーん、これだとしばらく降るかもね」
「マジで…くしゅっ!」
「あっ…」

雨に打たれて服は濡れて、この時期はまだまだ寒い。
どうしよう…このままだと山岡さん風邪引いちゃう。
まだツアー残ってるのに、ファンの人が待ってるのに…。
私を気遣ってくれたせいで…。

「ごめん、今日はこのまま帰…」
「山岡さん!」
「は、はい!」
「ちょっと来て!」

ーーーーーー

「………」

これは雨宿りだから…。
家に連れて来たのは、身体を温めてほしくて…。

『茜さん、俺を家に連れて来て俺のこと誘ってるん?』

なんて、 からかわれるのかと思ったのに…顔を背けて無言。
本当に誘ってると誤解されたらどうしよ…。

「あ、あの茜さん…先シャワー浴びた方が…」
「何言ってるの!山岡さん先に行って。風邪引いたら…」
「いや、俺は大丈夫やねんけど…シャツ…透けて…」
「え!」

コートと上着を山岡さんに無理矢理被せてどしゃ降りの中走って来たので、シャツが濡れて下着が分かるくらい貼り付いている。

「わ、私はすぐ着替えるから、早くお風呂入って!」


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