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仕事終わりは癒しの時間
第12章 苦しい心

山岡さんを脱衣所に押し込み、濡れて気持ち悪いスーツを脱いで部屋着に着替える。
男性用の服が無いので、大きめのスウェットを取り出して脱衣所に入る。
磨りガラス越しに山岡さんがシャワーを浴びてるのが見える。
私、なんか変態みたい…。
「着替え、ここに置いとくね」
「ありがと」
「服も乾燥機にかけても大丈夫?」
「お願いしまーす」
雨はまだ降り続いている。
「お風呂ありがとう。これも」
スウェットはズボンの丈が少し足りないくらいで、サイズは合ってるみたいでよかった。
濡れた髪の毛から滴る雫が色っぽさを引き立てていて、すごいドキドキする。
好きって自覚したら、ちょっとした言動にドキッとしちゃう。
「茜さん、結構可愛い趣味してるんやなー。柴とかくまのスケのでっかいぬいぐるみ置いてるから」
山岡さんがくまのスケで遊んでいると、引き出しの上に置いてあった写真を眺めていた。
それは私と飼い犬のペロで、中学生の頃に撮ってもらったもの。
「可愛い…トイプードル?」
「うん。ペロって言ってね、実家で飼ってるの。ずっと会ってないんだけど…」
「可愛いやろうなー。俺も犬飼ってるねん!ほら」
見せてもらった写真には、真っ白でふわふわのポメラニアンがカメラ目線で写っている。

