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仕事終わりは癒しの時間
第12章 苦しい心

「可愛い〜」
「可愛いよー。朝起きたらベッドに乗って首元に擦り寄って来るんよ。それが可愛くて!」
ぐぅぅぅ…
今の、お腹鳴った?
「………」
「…お腹、空いたの?」
「…うん」
「うーん…待ってて、何か作るね」
作り置きしていた味噌だれに漬け込んだ豚ロースをフライパンで焼いて、冷蔵庫にあった野菜をザク切りにしてポトフ風スープを作った。
「生姜焼き?」
「違うよ、味噌だれ」
「へー、いただきます」
一口かじると、目を少し見開いてこちらを見てくる。
「美味い!この味噌だれすごい!どこのメーカー?」
「売ってないよ、私が作ったもん」
「…すげぇ、お店で売ってるレベル。何混ぜるか教えてもらっていい?」
初めて男性に料理を「美味しい」って言ってもらった…。
パパや元彼は私が食事作っても「美味しい」の一言が無くて、反応も薄かった。
だから、山岡さんの反応に「作ってよかった」と思えて、すごく嬉しかった。
「お代わりあるけど、いる?」
「うん、ください!」

