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仕事終わりは癒しの時間
第12章 苦しい心
「山岡さん、食後はコーヒーとお茶どっちにする?」
「……」
「山岡さん…」
返事が無いので振り向くと、彼は床に落ちていた写真を眺めていた。
「あ…」
それは以前、拓也に撮ってもらった元彼とのツーショットの写真。
付き合いたての頃で、2人の笑顔は少しぎこちない。
昨晩、それを見ながら泣いてしまった私。
一緒に居る時間は短かったけど、なんだかんだ楽しかったのに…。
あの仲睦まじい姿を見てしまって、悔しさ、悲しさ、情けなさがこみ上げて思いっきり泣いた。
「山岡さん、ごめんそれ…」
山岡さんからそれを取ろうとしたら、かわされてしまった。
「それ返してよ」
「…まだ吹っ切れやんの?元彼のこと」
「違うの…」
「嘘や、だって…目の周り赤いから…」
気付かれてたんだ…。
慌てて顔を逸らそうとしたら、頰に手を添えられ、無理矢理目を合わせられる。
「離して…」
「これ見て泣いてたんやろ?楽しかったこといっぱい思い出して…」
「違う…」
泣いてた理由は近いけど、そうじゃない…。
「前も言ったけど、元彼のことはいい思い出にしていってさ…」
「違うの!」