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仕事終わりは癒しの時間
第12章 苦しい心
大声を出してしまい、静まり返る室内。
「私ね、昨日ようやく別れた本当の原因知ったの」
「うん…」
「私がエッチしても反応悪いから、同じ会社の子と身体の関係になって、相手が妊娠したから別れてくれって言われたんだ…」
「うん…」
「でも本当は二股してて、すごく仲良くなって、それで妊娠して…タイミングが良かったのかな?私がフラれたの」
どうしよう…愚痴が止まらない…。
「最近、仕事遅いなーってずっと思ってたけど、二股されてるなんて気付かなかったんだよ私。鈍過ぎるよね」
「いいよ、もう」
「すごい幸せそうで…あんな人にウジウジしてた自分が馬鹿みたいで…」
「もういいって!」
突然、背中に腕を回され、胸元へ抱き寄せられた。
服越しに彼の熱が伝わってきて、心臓の鼓動が速くなる。
「ごめん…俺がいい思い出にすればって言ったから、ずっと苦しんで…もうそいつのこと忘れて。もう苦しまんといてよ…」
身体を少し離されて、ジッと顔を覗き込まれる。
真摯な眼差しを向けられ、目を逸らそうとしても逸らせない。