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仕事終わりは癒しの時間
第13章 来客
「最近あいつ忙しいから来てないが言ってたぞ。お前と食事に行ってるって」
「ふーん。もう行かないことにしたし、会わないよ」
「はっ?何で?」
「何でも」
山岡さんに会うと辛いだけ。
だから、このまま会わない方が良い。
「…お前それで良いのか?」
「……何が?」
「二股野郎に捨てられて、どん底に居たお前を助けてくれたのは山岡だぞ?食事に連れてってもらって、親身になってお前のこと励ましてるんだろ?なあ…」
いつになく真剣な表情で話す拓也をジッと見つめる。
「お前は山岡のことどう思ってんだよ?ただ同情して食事に連れてってくれたと思ってる?」
「私…山岡さんのこと好きだよ。告白したいと思ってる…でも無理なんだ。山岡さんは彼女居るみたい。この前彼女と指輪選んでたの見ちゃって…」
あのシーンを思い出し、山岡さんへの思いと共に涙が溢れ出した。
伝えられない気持ちが胸の奥に溜まって、胸がギュッと切なくなる。
「泣くなよ。取り敢えずあいつときちんと話しろ。もし店に来たら教えるから、な?」
「茜ちゃんに合う男の人がきっと居るって!ね、だから元気出して!」
2人に励まされたけど、胸の苦しさは紛れなかった…