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仕事終わりは癒しの時間
第13章 来客
「私ね、ずっと家に居場所が無いと思ってた。お父さんの実家に行っても邪険に扱われて、藍さんの実家でも、血の繋がらない私にはよそよそしくかった。
パパと藍さんと裕太の間に私が入ったら、3人とも嫌なんじゃないかってずっと思ってたの。だから家以外に居場所を求めて、社会人になってからずっと帰らなくて…ごめんなさい、藍さんのこと嫌ってたわけじゃないの…」
自分がこれまで思っていたことを話し終えたら、「そんな事思ったことなんて無かったのに…」と藍さんに泣かれてしまった。
「藍さん、ごめんなさい!私藍さんのこと素敵なお母さんだって思ってるよ。パパのこと支えてくれてありがとう」
抱き合いながら涙を流し、お互いの気持ちをしっかり確認し合った。
「茜ちゃん、今お付き合いしてる人は居るの?」
「えっと…」
気持ちが落ち着いた頃、藍さんからこう聞かれて返答に迷ってしまった。
山岡さんのことが頭をよぎったが、彼には彼女が居るし…。
「えっと、好きな人は居るんだけど、まだ告白してない」
半分嘘で半分本当のことを言った。