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仕事終わりは癒しの時間
第14章 男の覚悟
「春人、お前はB-Studioレーベルに所属する大事なアーティストでBlue Eyesを引っ張るフロントマンなんだ。将来日本を代表するロックバンドになるんだろ?今の一瞬一瞬を大事にしてくれ…」
「……」
「あの時みたいに女への対抗心でバンドがバラバラになって欲しくないんだよ…」
秦野さんが言いたい事も分かる。
元カノにフラれた時の俺は周りへの配慮、ファンへの気遣いなど皆無で酷かった。
それはストイックにいい曲を求める気持ちが生まれたが、逆に周りとの話し合いも持たなくなっていた。
バンド内の空気は最悪で、意思疎通も出来ていなかった。
それを再び繰り返して欲しくないんだと。
でも、今の俺はあの時とは違う。
「秦野さん、俺は落ち込んでないですよ?スタッフさんやメンバー、ファンの皆と向き合ってる。声も普通に出せるし、気持ちも落ち着いてる…茜さんとは勘違いですれ違ってるだけやし、俺がその誤解を解かないと。もし話し合ってもダメやったらそれまでで切り替えていきますよ。俺はあの時とは違いますから」