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仕事終わりは癒しの時間
第14章 男の覚悟
『人間ね、失敗した時にどれだけ早く切り替えられるとね、デキる仕事人なんだって…だから、落ち込まないで、新しい気持ちで前を向いて』
「最後の神戸を最高の形で終えるまで彼女に会いに行きません。その代わりツアー終わったら、少し時間ください。お願いします」
深々と頭を下げてから、秦野さんの脇をすり抜けていってスタジオから出た。
ーーーーーー
春人の背中を見送った後、秦野は大きなため息を漏らした。
「全くあいつは…」
「いいじゃないですか、恋愛くらい。俺も結婚してるのに。禁止じゃないでしょ?」
「あいつと光一とは違うだろ?」
光一は秦野に向き変えって断言した。
「秦野さん、今回のことが上手いこといったら、ハルは成長すると思いますよ。人間的にも、表現者としても。聞きたくないですか?ハルが新しいものを得てから作る曲が」
「変わるか?あいつは」
「なりますよ。俺が見込んだボーカルやからな」
「いやいや、俺がハルとバンドやり出したんやから、見込んだの俺やろ!?」
「初めは涼がボーカルやってたんやから、変えたの俺やろ?」
「また始まった、仲良いから見ててもハラハラせんのよな」
涼介と光一の小競り合いを義彦は苦笑しながら眺めていた。