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仕事終わりは癒しの時間
第14章 男の覚悟
駅員さんがようやく助けに来てくれたと思ったら。
全身黒い服に黒いニット帽、サングラスとマスクを装着した完全に怪しい人。
顔は分からないけど、男の人であることは分かる。
マスクの男の登場に2人とも萎縮してしまった。
ヤンキーより怖いもん…。
「………」
「え、あっ…」
マスクの男に何か言われて、ヤンキーはそそくさとその場から離れていった。
た、助かった…。
「あの、ありがとうございました!」
怪しい人だけど、助けてもらったからね。
お礼も言ったし、帰ろうかと思ったら。
ガシッ…
「えっ!?」
手首をガッチリ掴まれ、そのまま出入り口にUターン。
改札口が遠ざかっていく…。
私、これから帰るのにー!
「ちょっと!やめてよ」
逃げようにも歩く速度が速く、力が強くて逃げられない。
もしかして、どこかへ連れて行かれて、ヤバいことされちゃうんじゃ…。
血の気が引いていく…
「やだ、痛っ!」
くるぶしに鋭い痛みが走った。
男のスピードに合わせていたら、靴ずれを起こしてしまった。
「ごめん、手首痛かった?」
「あ、違うの…え!?」