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仕事終わりは癒しの時間
第20章 おまけ 出会い
「いや、話すことじゃないよ…」
「いいからー、お酒奢るからー」
断ってるのにあまりにしつこくて、このまま話した方が楽になるんかな?
グラスに残っていた酒を喉に流し入れて、自分の心の内を吐露した。
「俺音楽やってるんやけど、最近すごいスランプで自分の思うような音楽が作れてないんよ。今もツアーで回ってるのに、ライブパフォーマンスも満足なものが出来なくて、イライラしてメンバーに当たってまうし…最悪で…」
「うん…」
「ファンの人にも音楽届いてるんか分からんし…」
音楽に関係のない人に話してしまえば楽になる訳もなく、心のモヤモヤは解消されない。
誰でもいい、この苦しみから解放される術を教えて欲しい…
「質問してもいい?」
「どうぞ」
「お兄さんの思う満足な音楽って何?」
「どんな人が聞いても唸らせられる完璧な音楽」
「じゃあ、今まで完璧じゃなかったの?」
「……」
「ライブに来てくれたお客さん喜んでなかったの?」
「……!」
「お兄さん今まで何のために音楽してたの?」