この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
仕事終わりは癒しの時間
第20章 おまけ 出会い
頭をゲンコツで殴られた時の痛みが走った。
「何のために?」そう言われて即答出来ない自分が居た。
「歌詞って自分の言いたいことを伝えるものじゃないの?」
「…」
「完璧なものって言うけど、お兄さんそれで自分のこと表現出来てるの?」
「自分のこと馬鹿にした人達を見返すために音楽してる訳じゃないでしょ?」
何も言えなかった。
完璧な音楽を求め過ぎて、自分の伝えたいこと、やりたかったことが分からなくなっていた。
今ではスタッフ、メンバーの空気は最悪。
今の状況をファンの皆はどう思う?
完璧なものを求め過ぎて大切なものを見落として、バラバラになる寸前で気付かされるなんて。
元カノの思うツボやん…
「俺のせいでバンド解散しても仕方ないんかな…」
「傷は浅い内に治せば大丈夫!それでズバズバ言われても仕方ないよー」
「情けないよな…」
「情けなくてもいいんじゃない?弱いとこ見せるのも相手を信頼してる証だよ」
突然頭に手を乗せられて、頭を撫でられた。
撫でられる手が温かくて、気が緩んだのか涙が溢れた。