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仕事終わりは癒しの時間
第20章 おまけ 出会い

「今のうちに泣いてツライもの全部吐き出そ」
「うっ…」
「よしよし」
大の男が泣いているのを彼女もマスターも笑わなかった。
涙が止まるまで何も言わず、彼女は頭を撫で続けてくれた。
「ありがとう。もう大丈夫」
「よかったー。あっそうだ、お兄さんに一つお話してあげる」
へにゃっとしてた顔が急に真面目な顔付きになった。
急な表情の変化に目を奪われた。
「お兄さん完璧なものにこだわってるけど、1度完璧なものが出来ちゃうと、それでいいんだって妥協して、それを真似て何も考えなくなって、人は成長しなくなるの。
それなら80%くらいの完成でいい。残りの20%は手抜いてもいいんじゃない?どこか必ず小さな穴はあるんだから、それを埋めようとしないで受け入れるくらいの方がいいんじゃないかな?」
「へー、説得力あるなー」
「この前仕事した取引先の人の受け売りだけどね」
話し終わると先ほどのふにゃふにゃした顔に戻った。
「お兄さんも80%の本気で頑張ってね」

