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霞草
第3章 新天地
愛想のいい人で、
「次の停留所に一軒、多分今もやっているだろう。
そこから先は、登山コースで泊まれるところはないよ。
もし、宿がやってなければ、折り返したこのバスに乗るといい。」
親切に教えてくれた。
両側の窓の景色は山の木々ばかりで変わり映えしない。似たようなカーブが続き追い詰められる気分になる。
今の心境のようで、ウンザリしてきた。
すると、大きなカーブを曲がり、突然開けた野原に出た。バスはスピードを落とし止まる。
「おい、お兄ちゃん、ここで降りな。左手に道あるだろ。30分は歩くかな、一本道だし宿も一軒しかないから、迷うことはないよ。
やってなかったらすぐ戻ってこいよ。
まあ、のんびりするのもいいかもな。」
運転手が声を掛けてくれた。
人の温かみに触れて素直に
「ありがとうございます。」
と会釈してバスを降りた。
道…
舗装されてはいないが、野原の奥に向かってはっきりとした道があった。
開けた空は青く、春を迎えようとする野原を照らし暖かい陽を感じた。
バスが見えなくなるまで手を降った。
そして、振り返って歩き出す。見渡しても目的の宿は見えないが、道を歩き続けた。
「次の停留所に一軒、多分今もやっているだろう。
そこから先は、登山コースで泊まれるところはないよ。
もし、宿がやってなければ、折り返したこのバスに乗るといい。」
親切に教えてくれた。
両側の窓の景色は山の木々ばかりで変わり映えしない。似たようなカーブが続き追い詰められる気分になる。
今の心境のようで、ウンザリしてきた。
すると、大きなカーブを曲がり、突然開けた野原に出た。バスはスピードを落とし止まる。
「おい、お兄ちゃん、ここで降りな。左手に道あるだろ。30分は歩くかな、一本道だし宿も一軒しかないから、迷うことはないよ。
やってなかったらすぐ戻ってこいよ。
まあ、のんびりするのもいいかもな。」
運転手が声を掛けてくれた。
人の温かみに触れて素直に
「ありがとうございます。」
と会釈してバスを降りた。
道…
舗装されてはいないが、野原の奥に向かってはっきりとした道があった。
開けた空は青く、春を迎えようとする野原を照らし暖かい陽を感じた。
バスが見えなくなるまで手を降った。
そして、振り返って歩き出す。見渡しても目的の宿は見えないが、道を歩き続けた。