この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
霞草
第6章 二人の想い
翌日は、泉の源の雪解け水で出来たせせらぎを見に出掛けた。
もう雪はほとんど残っておらず、せせらぎではなく小川から川に成りつつあった。
もうすぐ、霞の学校が始まる。
ゆっくり二人で出掛けるのも今日で終わりだ。
昨日の泉を思い出しながら他愛もない話をしていた。
「僕も勉強しなければならないんだろうな。」
なんだか、霞にも置いていかれる気分になる。
彼女は僕の焦燥感に気づいたのか、
「良ければ勉強教えてね。」
と言ってくれた。
それと、霞が学校に行っている間、僕はおじさんの畑仕事を手伝うなどを頼まれた。
その分もバイト代として宿泊費を値引きしてくれるということだ。
許されるなら、ずっとここにいたい。
霞への想いだけで考えればだが、
しかしこのままでいい訳がない。
自分の不甲斐なさを、思い知らせれた。
こうして、霞の春休みは終わっていった。