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霞草
第7章 すれ違い
翌週から霞の学校が始まった。
セーラー服姿の彼女を見て改めて高校生なんだと思う。
大人びて物静かな彼女が年下なのを僕はつい忘れてしまう。
制服姿は可愛らしい。
ただ、一緒にいられる時間が減るのは寂しい。
午前中はおじさんの畑仕事を手伝う。
これから植える野菜の為、土を耕す作業から始まる。
「坊主、畑いじりどころか力仕事も、ろくすっぽしたことないんだろ。
若いのにみっともないな〜。」
ほんの数時間の作業にくたくたで腕が上がらない。
ずっとここにいられたらと思っていたが、これでは手伝いにならないほど情けない。
「少し休憩入れようか。」
体力のない僕を気遣い、おじさんが言う。
「すみません。」
僕は畔に腰かけた。
「いや、俺も来た時は何もかもが初めてで、試行錯誤の毎日だった。
畑仕事なんかしたことなかったから、
庭いじりが好きだったかみさんに教わりながら、徐々に周りの農家に教わりながらやってきたんだよ。」
そう、おじさんは脱サラしてここに来たと前に話してくれた。
ふと、『ある事情で』と言っていたのが気になったが、敢えて訊く勇気がなかった。