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霞草
第7章 すれ違い
「お腹壊さないでね。」
そう言って、僕は、やっと普通に笑って話せた。
次は霞の希望で陶芸体験に行く。
彼女はろくろを回してみたかったようだが、最初は手捻りからと言われ、少し残念そうにしていた。
土台になる部分を棒で伸ばして、その上に転がして紐状にしたものを重ねていく。繋ぎ目を潰し壁面も一体化するのだが…
作るのは、皿、湯飲み、珈琲カップ何でもいいようで、二人とも珈琲カップを作ることにした。
手を粘土だらけにして真剣に取り組む。工作なんて久しぶりだ。
壁面の紐は粘土を転がして作るのだが、歪でも重ねていく僕。
霞は、
「子供のころ、粘土で蛇とか薔薇とか作らなかった?」
と楽しそうに器用に積んでいく。
僕は飽きてしまい、早々に仕上げて、霞の白い手を眺めていた。
きちんと、重なったところが一体化していないと、焼きの工程で割れてしまうと言われ、
粘土を溶いた水で歪なところを柔らかくし、境目がないようにした。
「いい加減にしすぎたかな。」
「ちゃんと付いていれば大丈夫ですよ。
均一なのも美しいですが、男性の素朴な作品が焼き上がって味のあるものになることが多いんですよ。」