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霞草
第2章 旅立ち
終点に着き駅員に起こされる。
弁当を買い、ボックス席のある電車に乗り換える。
食事を摂りながら、
また終点まで乗ろうと決めた。
次の乗り換えであまり長い線に乗ると、日本海側に出てしまうような気がした。
何となく、海より山がいいだろうと思い、名も分からぬ単線に乗り換えた。
降りる駅を、窓からの景色で選びたくなくて、目をつぶる。
いつの間にかウトウトしていたのだが、
だんだん下車する人が多くなってきたのを感じていた。
ある駅で人がごそっと降りる。
さすがに泊まる所もないようでは困るので、慌てて降りた。
知らない場所だったが、ホームに降りた人達はカップルが多く、
そこがちょっとした観光地だと分かった。
電車に乗り直そうかと迷ったが、
双六でサイコロの出た目が気に入らないと、振り直すのはよくない。
何となくだが、運に任せるべきだと、自分に言い聞かせて改札へ向かう。