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霞草
第7章 すれ違い
霞はやっと泣き止み、小声で、
「しゅう、困らせてごめんなさい。私、あなたを忘れない。霞草に負けない綺麗な心になるわ。」
と微笑んだ。
僕は、彼女の唇を拭った時から、抱きしめたい、唇を重ねたいと思ったが、
別離を思い、ぐっと堪えた。
きっと、止められない。ますます離れるのが辛くなるから…
霞も落ち着いてきて、恥ずかしくなったのか、
「今日、宿題たくさんあったんだ。」
と吐き捨てて、宿の方に走り出した。
「置いていくなよ。」
僕もあとを追いかける。
想いを伝えられただけでも良かった。
これで良かったんだと、
自分に言い聞かせながら…