パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第15章 恋敵

　黄尚宮を従えて中宮殿までの道のりを辿っていた時、大殿の方から沈内官を連れた国王が足早に歩いてくるのに出くわした。


　王と王妃でありながら、大勢の供回りを連れて賑々しく移動するのが嫌いなのは、実はファソンもカンも似ている。




　沈内官は内侍府長（ネシプサ）、つまりすべての内官を統括する責任者であり、もう六十を過ぎた高齢だ。この沈内官、ファソンがカンに連れられて後宮に来た当初は〝生意気な小娘〟と睨まれることが多かった。