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傘の雨
第3章 涙に花
「ゔっ…」

真夜中、月明かりすら薄らと漏れる時間に理登の裏拳を脇腹にくらって、思わず悶えた。

「ふふっ」

寝返りを打つとそこには笑ってる結鶴がいた。

「寝れない?」

定位置など何処へやら。

雑魚寝も雑魚寝、寝相の悪さやらなんやらでもう布団はめちゃくちゃだ。

「ううん、なんか嬉しくて…寝るのもったいないなって、最近…ずっと寝れなかったけど、今日はみんないてくれて凄く安心する」

暗闇でもわかる、結鶴の笑顔、そして潤む瞳。

「…俺がいるよ」

「うん、ありがとう」

「手、貸して」

ぎゅっとその手を握る。

「ハニの手、大っきいね、背も凄く伸びたし…カッコよくなった」

握った手から温もりが伝わったのか、結鶴の目がとろんとなる。

「るー、俺が1番そばにいる、ずっといるから…大丈夫だから」

「…はに…ぅん……あ、りがと…」

翌日の結鶴はマネヒョン達より早く起きて、朝食用のおにぎりを作ってくれた。

マネヒョン達の知り合いという事にして現場にいったり、食事の支度をしておいてくれたり、1人で街をぶらついたり、それなりに楽しそうに過ごしてくれた。

マネヒョン達も朝起こさなくていいのが楽なのか、そのままホテルに移すこともなく、日々が過ぎていった。

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