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傘の雨
第4章 熱に氷
明日、結鶴が帰国する。

なんだかんだで20日程、滞在していたのに、その間に2人で出かけたのは1度もない。

近所のコンビニすら行ってない。

そして今日は朝から音楽番組のリハだ。

「あれ?るーは?」

「水買いに行ってもらってるよ」

メイクもして、あとは衣装の上着を着るだけ。

控え室を出てスタッフに挨拶しながら辺りを探すと、フロアの階段横で雑談している結鶴を見つけた。

結鶴の横には…共演するナムジャドル。

「るー!!」

振り返る結鶴の手には半分になったおにぎり。

「は…っ、ジナ!!ど、どうしたの?」

「ハジュンさんが呼んでる…」

「マネージャーの知り合いなの?」

「はい、ヨンファさんの親族で、今日は特別に見学させて貰ってて…」

結鶴の腕を引くと、結鶴の体は簡単によろけた。

「CROWNixのJiNだよね?Winsideのソン・ウノです、よろしく」

「ウノさん、初めまして、ご挨拶が遅れてすみません、後ほど改めて挨拶にうかがいます」

丁寧にお辞儀して、さっさとその場を離れた。

「は、に?どうしたの?お水遅くなったから怒ってる?」

なわけないじゃん、水ごときで。

「なんで男と2人きりでいたの?」

「違う違う!体調悪そうに座り込んでたから、お水あげて、お腹鳴らすからおにぎり分けただけだよ」

「るーがしなくても、誰か呼べばいいじゃん!」
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