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傘の雨
第4章 熱に氷
完全な八つ当たりだ。

俺だって二人きりになりたいのに。

「ハニ、スタッフかファンなのかの区別もつかない私にそれは出来ないよ」

「だったら、マネヒョン呼べばいいじゃん!!水渡してさっさと離れてよ!何喋っちゃってんの?ああいうのが好みなわけ?!」

「ジナ!!日本語だからって、皆がわからないと思わないで」

「っ!俺はっ…「今ハニで話さないで」

結鶴はするりと隣をすり抜けて控え室に入っていく。

俺じゃない男と話してたこと、気持ちを分かってくれないこと、冷たいセリフ…気持ちがぐちゃぐちゃになる。

イライラが不安に変わって、なんだか心細くなる。

「CROWNixさん、スタンバイお願いします」

「行くぞ」

ウジンに肩を叩かれるけれど、いつもみたいに気持ちが入らない。

こんなんじゃだめだってわかってるのに。

くんっと衣装の裾を引かれて立ち止まる。

すぐ後ろには結鶴がいた。

「…ごめんね…心配してくれたのに…、あと…カッコいい仁、が、みたい…」

我ながら単純だよ、チョロいんだよ俺。

「もちろん‼︎」

たった一言で、その日のトレンド1位をかっさらった。

来韓した時より増えた荷物をぎゅうぎゅうとスーツケースに詰める結鶴。

後からでいいものは送る手配済みだった。


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