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第16章 泣き濡れてｰ抱き合う夜

(・・・
やっぱり青痣になってる・・・)


適当と言われたので、脱衣場で着替え‥
脱衣場と言っても、私の部屋の半分以上の広さ。


そこにある姿鏡で背中を確認したら‥‥これ。



「かなり加減無く蹴られたから・・・」


お尻は大丈夫だったけど、頬の腫れに背中の青痣‥
これは数日取れないと思う。



「正気に戻ったら、別の意味で落ち込むよ」


此処までされて‥
雲母さんが居なかったら、私‥どうなっていたんだろう・・


動く事すら出来なかった、それも何日も‥そう思う。



「・・・兄弟なのに‥」


全く正反対の雲母さんと雅楽代社長‥
人って、富と権力を急に持つと、あんな風に変わる‥雲母さんは変わらなかったみたいだけど。



「セレブって、成り上がりという意味なんだよ？」


私が良く言う言葉‥
樹部長には本で読んだって言ったけど、実際は違う。


私自身が体験して来た事の反映、成り上がり更に上に媚びる‥
それを小さい頃から見て来たから、この言葉を言えるだけ。



「権力者や実力者‥
本当の力ある者は、あんな軽率な行動なんてしない」


不用意な行動は、自身の為にはならない‥
それに子供の頃から、こういう礼儀作法は徹底して教え込まれる。


私が少し捨てた過去の話。