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淫の館
第3章 目覚め
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皆、一言も喋らず、宙に浮く私をじっと見ていた。
『私を支持する者』とは彼らのことだろうか。
一人一人は違う顔なのに、黒い作務衣に無表情で、皆同じに見える。
男の手下、もしくは召し使い、従者、弟子といったところなのか、
蜘蛛の子を散らすようにさっと離れて座るところをみると、みな並列の立場で、座る位置なども決まっているようだ。
身に起こることが予測できずに恐怖で感じていなかったのか、
静まりかえった空間で、括られた竹ごと吊るされる苦痛を覚えた。
手は伸びたまま動かせず、ぐるぐる巻かれた縄は少しは力を分散しているかもしれないが、
全体重が手と胸の縄目にかかり、ギュウギュウと締め付けてきた。
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