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淫の館
第3章 目覚め
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「腹が減ってるだろう。もし私にひれ伏して謝罪するなら、ここに座らせてやろう。
詫びの所作を覚えてからになるがな。」
「食事など要りません。」
男に刃向かったが、何もされなかった。
男はまた食事に戻っていった。
「うぅっ…今何時ですか?」
ニヤニヤ笑う者もいたが誰も答えてくれなかった。
先程の部屋もここにも時計がない。
「カナ、教えてやれ。」
「はい、館主様。
時とは刻むものではありません。永遠に続くものです。日が沈み昼が終わり、月が薄くなって夜が明ける。
それ以外の時を知る必要はありません。
ここにいれば体内が自然と同化して、自ずと時がわかるのです。」
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