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淫の館
第3章 目覚め

弟子は洗面器を持ってきて、サラシの手拭いで私の顔を拭く。
「ありがとうございます。」
「礼はいらない。これは務めだ。」
食事が片付けられて、代わりにバケツが3つとあの金盥を持ってきた。
「下はトイレには行けない。食べるのも寝るのも排泄も全てが一緒の部屋だ。
手が使えないから、世話をする。
盥が小、空のバケツが大、こっちが手拭いで、水だけのバケツに使った手拭いを入れる。
それとこれが飲み水だ。」
先ほどの餌台に洗面器に入った水が置かれた。
「館主様の判断でそのうち手が使えるようになる。
それまでは交代で世話が入る。
我慢して漏らしても着物も寝床もそのままになる。
不衛生なので我慢せず呼べ。
わかったな。」
そう言って弟子は出ていってしまった。
此処の情報を探ろうと思ったのに質問すら受け付けずに出ていってしまう。

