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淫の館
第3章 目覚め
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「小便か、呼べと言っただろう。」
弟子が竹を掴んで私を立たせ、また竹が縄に通される。
弟子が着物を捲り、竹に巻き付けて竹を支えた。
「しゃがめ。」
腰を落とすと盥が足の間に置かれた。
この男は終始世話という役目を担うだけと一貫している。
盥を置くと私の視界から消えて背後に回った。
「すみません。」
ジョロジョロと鳴る金盥、匂い立つアンモニア臭。
そんなところに立ち合わせることを詫びた。
「終わったか?」
男は手拭いを絞り待っていた。
「はい。」
男に拭かれ恥ずかしさで一気に赤くなる。
男は無言で汚れ物入れのバケツに手拭いを放り、金盥をよけて私を立たせて着物を整える。
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