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淫の館
第1章 入館までの流れ 初日

「また、爪先からマッサージしていきます。体を温めると感度も上がりますので。」
男の言葉に、ただただ期待する私がいた。
足のマッサージはうつ伏せと同じように進んでいく。
また間違いは起こらずに際どい付け根まで指がくる。
それが、男が私の淫欲を炙りだすための手法とも知らずに、まどろっこしいと思いながら、濡らしていた。
脚が終わると、
バスローブを開いて、バスタオルを掛けるように言われ、またしても期待は裏切られるのだった。
腕のマッサージを受ける。
手指を一本ずつ揉まれ、甲とひらも丁寧にマッサージされて、肘先をマッサージするのに手を持ち上げられる。
このときに、初めて手の甲に音も立てない柔らかいキスをされた。
ようやく訪れた感触に、全身が震えるほど悦んだ。
肩とデコルテをマッサージされて、バストをタオルで隠してお腹のマッサージを受ける。
その間、男の唇が鎖骨や首筋に何度も押しあてられた。
こんな風に大切に扱われたことがない。
キスと呼んでよいのかわからない唇の接触で、心まで温められていった。

