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淫の館
第6章 脱走

足枷がついたままで、そこから伸びた鎖の先に、床に置かれた錘があった。

片足に一つずつ、四角い20センチ角の金属の錘だった。

「すみません。トイレのお世話をお願いします。」

部屋にいつも置かれている金盥やバケツが無い。

襖越しに待機している担当に声をかけた。



返事がない。
立ち上がり、錘を引き摺って歩く。

ゆっくりと引っ張るようにして歩けば進むことが出来た。

「トイレをお願いします。」

襖までいって手を掛ける。
施錠もなく、すんなり襖が開いた。

拷問部屋の真ん中にバケツと金盥が置かれていた。

そこまで錘を引き摺って歩いていった。

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