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淫の館
第6章 脱走

「その程度には歩けるのだな。適度な錘のようだ。」

ひいいぃ…

気配がなかったのに、襖と同じ面に、男が寝転んでいた。

びっくりして転んでしまう。いや、腰が抜けてしまったのだ。

「最後、あれだけ、『愛してる、愛して』と自分から叫んだのに酷い驚き様だな。」

「す、すみません。誰もいないと思ったので…」

何か言ったように思っていたけど、愛してるなどと言ってしまったのか…

それより、また清めの恐怖を思い出し、足がすくんでしまう。

「トイレだろう。部屋に戻るまで間に合うか?
ここでするか?
連れていってやろうか?」


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