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淫の館
第6章 脱走
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ビィー…ビィー…ビィー…ビィー
母親が門柱に手を押し合てた。
けたたましい警告音とともに、門柱の上にある赤柱灯が回転する。
「助けて…」
そして門扉が自動で閉まっていく、急いでそこまで這って行った。
ガチャン…
届いたのは、閉まった門扉だった。
「たまにこういうことがあるから、怖いのよね。
いつも門を閉じていればいいのに…」
母親は子供の顔を自分の胸に押し合てて、私が視界に入らないようにして抱き締めていた。
そして誰に言うでもなく文句を言い、足早に去っていった。
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