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淫の館
第6章 脱走

「ママ〜、ひまわりいっぱい〜」

「見るだけよ、あんまり側に行っちゃ、だめよ。」

門の向こうを、幼児と母親が歩いていた。

人がいる。

「助けて…助けてください…」

這いながら片手を伸ばして声を掛けた。

母親が凄い形相で子供を抱きかかえて門柱に走る。

驚かせてしまったか、
自分の姿を想像した。

「ね、だからあんまり近づいちゃダメって言ったでしょう。」

「うわぁあん、ママ〜、怖いぃ、でも、おばちゃん『助けて』ってぇ…」


「あの、助けてください。」

母親に向かってもう一度助けを求めた。


「あのね、○○ちゃん、ここは病気の人が住んでるところなの。

助けてって言われても近づいちゃダメなのよ。

その時はこうするのわかった?」


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