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淫の館
第8章 火の躾

「飯はいくらでもおかわりしてよいぞ。よそってやろうか?」
館主様が脇に置かれたお櫃の蓋を開ける。
「いえ、自分でします。」
正座で館主様の前に進み、お代わりをよそう。
何故、もっと早くこうしなかったのだろう。
館主様との食事はとても楽しく美味しかったのだ。
「ごちそうさまでした。お膳はどちらに下げればいいですか?」
パンパン…
弟子たちがやってきてお膳を下げる。
「こうすればいいのだ。
下には躾を受ける仕事がある。
だから身の回りのことは免除されているのだ。」
「ありがとうございます。」
下げにきた弟子たちと館主様にお礼を言った。
過去を思い、くよくよしてもむなしくなるだけだ。
積極的に接すれば、ここの暮らしは楽しいのだと、身をもって実感した。
「今日は早く寝るといい。」
部屋に洗面道具が用意されていた。
顔を洗い歯磨きをして道具を外に出す。
もう一度新しい自分を確認してベッドに入った。

