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淫の館
第8章 火の躾

「いただきます。」
初めて膳に乗ったお椀から頂く、ワカメと豆腐のお吸い物だった。
「美味しいけど、少し辛い。」
「あはははっ、出汁も自然のものだけでとって、塩はほとんど入ってないぞ。」
無味の粥しか食べていなかったからか、味付けが凄く濃く感じた。
館主様の料理の匂いに、鼻は羨ましいと感じるけれど、食べたら館主様が言う通り、大変なことになりそうだった。
「ご飯が美味しいです。」
「粥は水だけで炊くが、飯には昆布を入れて炊くからな。」
噛むほどに甘味が出て、とても美味しかった。

