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淫の館
第13章 日の躾

「昼げだ。」
「すみません、ありがとうございます。」
慌てて襖を開けるが、今日の担当はもう格子戸の向こうだった。
顔を合わせて、話がしたかった。一人でいることが寂しくて堪らなかったのだ。
一人で食事する。
箸が進まないが、きちんと食事しないと館主様が心配するだろう。
普段何気なく食事して、気恥ずかしく思っていたが、一緒に食べるということが、とても大切なのだと感じた。
お膳を格子戸まで下げにいく、廊下を覗くが誰も歩いていなかった。
躾に翻弄されて見失っていたが、私はここに幽閉されているのだと思い知る。

