この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
淫の館
第3章 目覚め

…………ん…
縄が解かれて寝かされている?
目覚めても、落ちるまでの激しさに、頭がぼぅっとしていた。
ここは…どこ?
天井や壁は見慣れないものだった。
ホテルでも、もちろん自宅でもない。
和室の何もない部屋で…なのにベッドに寝かされていた。
ん…うぅっ…
ビィィィィィー
部屋の趣にはそぐわない電子ブザーの警告音が鳴り響く。
手が自由にならない。寝返りも起き上がることも出来ない。
両手を真横に伸ばした姿勢で、何かに括られていた。
ススー…
襖が滑る音がして男が入ってきた。
「何をするんですか、離してください。」
私は新しい白い着物を着せられていた。
「やっと目覚めましたか、生まれ変わった目覚めはどうですか?」
「ふざけないでください。離してください。家に帰らなきゃ。」
「世俗のことなど気にする必要はありません。貴女の貴重品はこれ以外、ご自宅に先程届けましたから…」
男が携帯をかざしていた。
「返して。」
「必要ないでしょう。鞄や衣類など、全部燃やさせて頂きました。
あれです。」

