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銀木犀の香る寝屋であなたと
第2章 家族
 数日後に珠子の祝言を控え、沢木家は騒々しい。
珠子は半年前に学校を卒業することなく退学し、花嫁修業として家で過ごし、着物をあつらえたり、家具やら化粧品やらを用意していた。

 珠子にすれば結婚は学校を卒業してからがいいだろうと思っているが、善き日取りのためや準備などで希望はかなわなかった。
友人たちも卒業などどちらでも良いという。そんなことよりも結婚が決まることの方が大事らしい。
不満を抱えながらも支度はなんとかすべて済み、あとは輿入れの日を待つばかりとなった。
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