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銀木犀の香る寝屋であなたと
第1章 月夜の出会い
「帰ろう。送るよ」
「そうね。また来週が楽しみだわ。お昼は会えないのかしら?」

「仕事してるし、俺がお嬢さんと会ってるのがばれたら……。すごくすごくまずいと思うんだ」
「そう……」

「もし見かけても知らんぷりしてくれないか」
「さみしいけどしょうがないわよね」


 いつだったか女中が二人、話に夢中になっているところを、今は亡き祖母のリツがひどく叱咤しているのを見たことがある。
珠子がこわごわ「どうしておばあちゃまそんなに怒るの?」と尋ねると、リツは「使用人が仕事中におしゃべりにうつつを抜かすなんぞ、ありえません」と厳しく言い放っていた。
 おかげで一樹の言い分は珠子には理解できるのだ。

「じゃ、ここで」
「ごきげんよう」

 珠子はしなやかに走り去る一樹の後姿を見送り、屋敷に戻る。そしてまた暗い部屋の布団にもぐった。時々暗闇が恐ろしく布団の中で打ち震えることがあったが、今はこの暗闇が、夜の訪れが楽しいものであった。

(また来週)

次、一樹に会うときに珠子も何か教えられることがあるだろうかと、まどろみながら眠りについた。
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