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銀木犀の香る寝屋であなたと
第7章 別離
「かけて」
「はい」

「コワイの?」
「べつに……」

 ロバートは優しく珠子の髪を撫でる。

「君がスキだ。優しくするから」
「ロバート……。お願いがあるの」

「ナンダイ?」
「あの……。その、するときにね。後ろからだけにしてほしいの」

「ウシロ?バック?」
「ええ。それと何か日本語で言っても尋ねないで」

「ふむ。変わったオネガイだな。バックが好きなのかイ?」
「いえ……。そうじゃないけど、他の格好だと辛いの……」

「オーケィ。ケイカの願いならカナエタイ」


 ロバートは珠子の肩を抱き、背中のファスナーを下ろし、両肩を滑らせて袖を脱がせた。着込んだくたびれたワンピースを脱がしてしまい、シミーズ姿にした珠子をベッドに後ろ向きで寝かせた。

 耳元で囁く。

「今度、シルクのワンピースを手に入れてくるよ。君の肌のほうがナメラカだが」

 まっすぐな黒い髪をかき上げ、陶器のようなうなじを出しロバートは唇を這わせる。下着もすべて剥ぎ取り、全裸の背中を撫でるように愛撫する。

「キレイだ。まるで昔見たウキヨエのようだな」

 滑らかで白い流線形の裸体にロバートは息をのむ。
彼は日本趣味なのだろう。店にいる誰よりも珠子は地味でおっとりとした顔立ちだ。
 ゆっくりと時間をかけ背中と丸い尻を撫で、揉み、舐めまわす。

 珠子はまた一樹と過ごした少女時代を回想し、瞑想にふける様に息を深くし目を閉じている。


「ああ、ケイカ。ウツクシイ」


 四つん這いにし、少し潤んだ渓谷をロバートは後ろから長い人差し指でなぞり、くちゅくちゅとほぐす。

「うぅ……」

「優しくスルよ」
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