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銀木犀の香る寝屋であなたと
第7章 別離
ロバートのおかげで藤井家の生活が向上する。このことを珠子はキヨには言えずに、お給金が上がったとだけ言っておいた。
吉弘は初めて食べるチューインガムというものに興奮して、いつまでもクチャクチャと噛んでいた。
キヨは新しい木綿の藍の着物を着、嬉しそうに胸元をいじっている。
「ありがとうございます。こんな……わたしになんて……」
「今まで散々我慢してきたんだもの。着物一枚くらい新しくしたってばちは当たらないわ」
久しぶりに見る明るい家族の笑顔に珠子も顔がほころぶ。
「そろそろおイモも大きくなるんじゃないかしら」
「うわー楽しみだなあ」
「ふふ。吉弘さんいっぱい食べてね」
育ち盛りの吉弘は、食べることが一番うれしいらしく満面の笑みを浮かべる。
珠子はロバートに感謝し、いつの間にか頑なな自分の心がほぐれているのを感じていた。
吉弘は初めて食べるチューインガムというものに興奮して、いつまでもクチャクチャと噛んでいた。
キヨは新しい木綿の藍の着物を着、嬉しそうに胸元をいじっている。
「ありがとうございます。こんな……わたしになんて……」
「今まで散々我慢してきたんだもの。着物一枚くらい新しくしたってばちは当たらないわ」
久しぶりに見る明るい家族の笑顔に珠子も顔がほころぶ。
「そろそろおイモも大きくなるんじゃないかしら」
「うわー楽しみだなあ」
「ふふ。吉弘さんいっぱい食べてね」
育ち盛りの吉弘は、食べることが一番うれしいらしく満面の笑みを浮かべる。
珠子はロバートに感謝し、いつの間にか頑なな自分の心がほぐれているのを感じていた。