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銀木犀の香る寝屋であなたと
第7章 別離
 薄暗い部屋で珠子はぼんやりと黄昏る。


「いい夢を見られたのよね……」


 これまでの生活を恋しがる前に、涙が溢れそうになる前に、珠子は派手な水玉の赤いワンピースを着、濃いブルーのアイシャドーと真っ赤な口紅を塗り、カフェーへ出勤することにした。

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