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銀木犀の香る寝屋であなたと
第1章 月夜の出会い
 秋が終わり、冬の訪れが感じられたときに、一樹は珠子の身を案じ会うのをやめようと言い始めた。
珠子は拒んだが、寒さのせいであろうか、浩一も出かけなくなってしまい、自動的に一樹を会う機会を失ってしまう。(つまらないわ)


 本格的な冬が訪れる前の日曜日に、珠子は浩一にお客様がいらっしゃるから来るようにと言われた。
おかっぱの真黒な髪に櫛を入れ、クリーム色と薄紅色の市松模様の着物の着崩れを、ばあやに正してもらい客間へ向かう。
客間までばあやも付いて着、珠子の所作を見守る。廊下で正座をし声を掛けた。

「おとうさま、珠子です」
「どうぞ、おはいり」

「失礼します」

 入って顔をあげたときに「あっ」と声をあげてしまった。ばあやがすかさず「まあっ、そんなお声を出して」と、たしなめたので珠子は黙って下座に座る。


 葉子と一樹が居るのだ。(どうしたのかしら)


 二人ともいつもの仕事着でも普段着でもない。
 葉子は新しく仕立てたのであろう、ウール地のようだが黒地に椿が少しあしらわれたモダンな着物を着、髪をきちんとまとめて、赤い珊瑚のかんざしを挿している。
顔立ちのはっきりした葉子に赤がよく似合う。

 一樹は詰襟の黒い学生服だ。座敷に一瞬、静けさが舞い降り空気が張り詰める。
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