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色絵
第7章 満開
それからも庭の散歩は続き、屋敷の裏側まで回る。裏庭は家庭菜園となっていた。
「お茶にしましょうね。」
また、客間に通される。先生は、今日はアトリエにいかないと決めたのだと思った。
珈琲の香りの中でゆったりと寛ぐことができた。
「明日から、またレッスン始めましょうね。」
先生の優しい心遣いに励まされて家に帰った。
その晩、主人は遅くなり、連絡もないので自分だけ食事を済ませて、新品の画材でレッスンした。
青い夏ミカンは、所々黄緑になっていた。
下絵を描きあげて、一息入れる。どうやらそのまま眠ってしまったようだった。
ぐらぐらと揺れる。
「地震?」
「飯温めてくれよ。」
「あっ、すみません…」
主人が帰ってきたのだった。
「疲れてるんなら、片付けて寝てろよ。」
「す、すみません…」
「好きな事して疲れてるなんて贅沢だよな。」
「ご、ごめんなさい…」
主人は愚痴っぽくなかったのに土曜以降嫌味ばかり言う。
けなして満足するのだろう。ワタシは謝ってその場をやり過ごした。
今日も求められたら、また色々とケチをつけて乱暴にされる。