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色絵
第7章 満開
「おはようございます。」
昨日の今日だからか先生は玄関まで出迎えてくださった。
「先生、今日は大丈夫です。」
そして平穏な1日が始まった。
やっと百合の色付けに入る。3日の空きがあり、僕と貴女の間柄もだいぶ変わった。
同じように描けるだろうか…
貴女がアトリエに入ってくる。昼に一度着替えて、また戻って来て着替える。
面倒だと思うが、貴女はちゃんと帯を御太鼓にして部屋に入ってきた。
「さて、始めましょうか…」
僕の掛け声に貴女は背を向けて帯を解き始める。
シュルシュルと衣擦れの音だけが聞こえる。
帯がほどけてタラリと下がり、最後の結び目もほどかれた。
帯はたたまれてテーブルに乗せられ、下帯も解かれる。
貴女は着物と襦袢の襟を合わせて後ろに繰った。そしてスルスルと背中から腰骨が露になっていく。
ああ、芍薬の続き絵が再現される。
貴女は袖を抜く前に斜めに体を向けて、届かぬ視線を僕に投げる。
そして袖を抜き、着物と襦袢を手に持って、僕の後ろにある衣紋掛けに掛けに来た。
衣紋掛けを見ながら歩いていたのに、僕の脇を通り過ぎるとき、妖艶な流し目で僕を見やる。