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色絵
第2章 入門
「そうなんですか。
ワタシ、此処に越してきたばかりで、知り合いもなく、専業主婦で、
主人に趣味でも作ったらと言われて、お邪魔したんです。
昨日、表の絵が変わって、初めて近くでみて、お教室をしていると気づいたんです。」
「お互い退屈しのぎになりますね。
まあ、教えるからにはきちんと教えますよ。」
「ワタシ、絵心などなくて、果たして教わる価値があるのかも怪しいですが、ぜひ教えて下さい。」
「絵心ね。
美しいものを美しいと感じる心があれば、上達しますよ。
技術は僕が教えますから…」
「よろしくお願いいたします。」
ワタシは立ち上がり頭を下げる。
その動作が可笑しかったのか、先生が笑う。
「いつから来られますか?」
「今からでも構いませんが…」
「よほど退屈のようですね。僕はいつでも構いませんよ。
ただ、僕が絵に対して決めているルールというか、約束事を守って頂きたい。
それが教える条件です。
よろしいですか?」
「わかりました。ぜひお願いいたします。」